【名探偵ぶんすの事件簿】FILE.2 分別の鬼

 

とあるお休みの日の昼下がり、二階の一室でカプカプ、ペリペリ、と乾いた音が鳴り響いていた。

 

すると、その音を不審に思った洗濯物干し中の住人たちが原因を探ったところ、

 

 

 

机(冬場はコタツになる)の下に、ティッシュ箱を抱えたらんまる(推定4)がいた。

 

らんまる(推定4)はティッシュ箱の口についているビニール(カサカサ音がしておもしろい)がほしいため、カプカプとティッシュ箱の紙の部分をかじってはペリペリと引きちぎっていたのだった。(分別)

 

 

そこで、そのような分別行為を制止しようと住人が手を伸ばしたところ、

 

 

ふんふんふんふん….

 

 

うう….(うなり声)

 

 

うううう….(うなり声)

 

 

と、らんまる(推定4)は鼻をしわしわにして迫力のある威嚇をした。

 

 

そうして、分別の邪魔をする住人を撃破したらんまる(推定4・分別の鬼)は、念のためにすこしだけ向こうを向きながら、黙々と分別作業に没頭し、

 

すこし下を向いてまるくなった頭が集中度合を物語っている

このように、ティッシュ箱をびりびりに破り去った。

 

 

しかし、これで分別作業が終わったかと思いきや、らんまるの分別意欲は衰えることを知らず、

 

 

コマ切れになったティッシュ箱をその場に置いて、きょろきょろと部屋の中を見回し、

 

 

そして、

 

 

ボールペンの袋

 

どこからか引っ張り出してきたボールペンの袋を分別し始めた。(カサカサ音がすき)

 

ビニール袋に台紙が入っている。ビニール袋がほしい。

 

 

 

そうしてひとしきり分別をしていると、

 

もはやティッシュ箱には興味がない

 

らんまるはすこし退屈になってきた。

 

 

そして、てくてくと階段の踊り場まで歩いていくと、

 

 

 

らんまるは階段から誰かが帰ってくるとすぐに見えるところで、スースーとおひるねを開始した。(階段は降りられない)

 

 

 

『夕刊丸頭』(丸頭新聞社)より抜粋

 

 

 

 

 

 

 

 

被災216日目

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